Japan Craft.JPI株式会社の原点をたどると、1998年にJapan Prosthetic Dental Laboratory(略称J.Prostho)として発足した歯科技工所にその源を持つ。J.Prosthoは1990年代から歯科補綴の中で審美偏重の潮流となり歯科補綴の形骸化に憂慮し、「適合」「咬合」「審美」の調和を図った補綴物の作製を目指して、
- 最良の歯科補綴物の可能性への理論的探求
- 最良の歯科補綴物作製システムの構築
- 最良の歯科補綴の患者への提供
以上を目的として、大阪の地に歯科技工士 重村 宏が創立した。
歯科技工士 重村 宏は、最初の6年間は孤高の歯科医師 野口清隆先生の下で厳しく指導され歯科補綴の基本を培った、後の13年は歯周治療と補綴治療の有機的な合体を標榜した貴和会歯科診療所に勤務しておびただしい数の難症例をこなす臨床の従事と、30篇以上に及ぶ論文の執筆と、JIADS研修会の講師として全国に講演活動を行った。
これらを基礎として独立したJ.Prosthoでさらなる研鑽の結果、歯科業界に少なからずの貢献を果たすことができたと思われる。
その一端を記述すると
a.生体に限りなく順応させることを可能にした高精度補綴物の完成と実証
- 参考文献 「新適合論」
b.不確定と思われていた咬合治療にCT画像などのデータによる解析の術式の改良と提案
- 参考文献 「適正下顎位」「顎関節機能不全症候群へのアプローチ」
c.クラウン・ブリッジ用コバルトクロム合金の高精度・高品質としての臨床応用の達成
- 参考文献 「コバルトクロム合金のクラウン・ブリッジ臨床への応用」
これらの学術、臨床両面での結果を、より多くの臨床家に伝道すべく研修会やセミナー等を開催してゆきました。この過程でJ.Prosthoは、歯科技工所という業務の枠では収まりきることができなくなり、新たな組織体に編成する必要ができました。ここに、「Japan Craft.JPI株式会社」創立という運びになったのです。